スーパーカブの異音修理 カムチェーンテンショナー交換
今回は、スーパーカブのエンジンからカタカタと異音がするので修理。
走行距離は30,000キロほどです。
エンジンの異音原因はたくさんありますが今回は左側から大きくカチャカチャ音。点検した結果、カムチェーンを張っているカムチェーンテンショナーの不具合でカムチェーンが遊んでいるようです。
分解して損傷具合を確認。
フライホイールの向こう側にカムチェーンとテンショナーがあります。
カブ系のエンジンは大体この構造ですね。
真ん中のチェーンがカムチェーン。ピストンとバルブのタイミングを合わせるタイミングチェーンですね。
赤い矢印がカムチェーンのガイドの役目をするローラー。青い矢印がローラーにテンションをかけているロッドです。矢印の方向にテンションをかけてチェーンがズレないように常に張っています。これらのローラーが摩耗してくるとプッシュロッドは自動調整なので押し上げてテンションをかけようとしますが、自動調整も限界があるのでローラー径が小さすぎるとテンションをかけれずチェーンが遊びだし異音が出だします。
シリンダー中央にもチェーンガイドローラーが入っています。
左は新品。摩耗したローラーは径が小さくなっており、いびつに摩耗。ひどい物だと金属の部分しか残っていない時もあります。
ローラーは基本すべて交換となります。
ひどい場合はプッシュロッドの先端のダンパーがはずれテンショナーアームに直当たりして損傷しています。
カムチェーンは遊びが多過ぎるとシリンダーに当たって削っていき最悪シリンダーに穴が開きます。その場合はシリンダーとカムチェーンの交換になりますので高額の費用が掛かってしまいます。
すべて交換して本来の静かなエンジン音に戻りました☺
余談ですが、プッシュロッドは内部にオイルが流れ込みロックする自動調整式なので、エンジンオイル量が少ないと内部が充分満たされずロック出来なくなりチェーンが張れず異音が出ることがあります。カムチェーンにも付着するオイルが減りますので、エンジンオイルはレベルゲージの上限付近まで入れておくのをおすすめします。また、異常ではありませんが冬場はエンジンが暖まるまでオイルが硬く、同じようにロッド内部に流れにくいので暖まるまでカムチェーンのカチャカチャ音が出やすくなります。
走行距離が多い車両は一度点検してみてはいかがでしょうか?
カブの修理は郵便局車両保守店で実績のある当店にぜひお任せください。